「お~になる」・「ご~になる」は、「お話しになる」や「ご説明になる」などの形でたいへんよく使われる敬語表現です。相手または話題中の第三者の動作・行為を意味する言葉(動詞または動作性の漢語名詞)に尊敬の接頭語「御」と尊敬の補助動詞「なる」(為る)を付けて、その人への敬意を示します。
動作・行為を意味する言葉が動詞(連用形)の場合、「御」は原則として訓読みの「お」となります。「お話しになる」の例では、「話し」は動詞「話す」の連用形です。また、「ご説明になる」の「説明」のように「~する」という読み方ができる動作性の漢語名詞を使う場合は、「御」が音読みの「ご」となります。以下に、よく使われる「お~になる」、「ご~になる」の例文を紹介します。
[pr]お会いになる
例文) 面談の件ですが、あいにく理事長がご多忙につき、代わって参事の方がお会いになるそうです。私も同席しますので、よろしくお願い致します。
お帰りになる
例文) この度は紛争地域にご出張と伺い、少なからず心配しております。ご無事でお帰りになりますよう切にお祈り致します。
おいでになる
例文) 駅までお迎えに上がりますので、おいでになる日時が決まりましたら、ぜひご一報ください。旬の海の幸をご用意してお待ちしています。
補助動詞「なる」による尊敬の表現形式に「来る」の尊敬語「お出で」を使用した二重敬語です。しかし、習慣として定着しているため容認されています。
お見えになる
例文) 先生がお見えになるのは、おそらく3時ごろになると思われます。当日、お時間がはっきりしましたら、すぐにお知らせ致します。
補助動詞「なる」による尊敬の表現形式に「来る」の尊敬語「見える」を使用した二重敬語です。しかし、習慣として定着しているため容認されています。
お召しになる
例文) お届けした商品の品質にご満足いただけなかった場合には、お召しになった商品でも交換・返品をお受けいたします。
補助動詞「なる」による尊敬の表現形式に「着る」の尊敬語「召す」を使用した二重敬語です。しかし、習慣として定着しているため容認されています。
お召し上がりになる
例文) イスラム教徒のお客様もお召し上がりになりますので、ハラール認証を受けた食材と調理方法によるメニューを豊富に取り揃えております。
補助動詞「なる」による尊敬の表現形式に尊敬語の動詞「召し上がる」を使用した二重敬語です。しかし、習慣として定着しているため容認されています。
ご説明になる
例文) ご挨拶に続く事業計画の概略と策定の経緯までにつきましては事務長の私が説明いたしますが、本題の実施計画とその意義につきましては専務理事がご説明になります。
ご利用になる
例文) ご入会手続きでは、ご利用になるコースをまず選択していただきます。コースについてご不明の点は、どのようなことでもインストラクターにお尋ねください。
ご使用になる
例文) 操作方法を間違えると、誤作動の原因になります。初めてご使用になるときは、かならず取扱説明書をお読みください。
ご覧になる
例文) 参加者一覧の原稿です。各社役員の方々がご覧になりますので、氏名・肩書きの誤記と位置取りに十分注意してください。
「御覧」は、本来、天皇や高貴な人が見ることの尊敬語でしたが、「御覧になる」や「御覧下さい」の形で一般人についても使われるようになりました。「ご覧になる」はたいへん身近な敬語ですが、特殊な定型句です。

