「ひとかたならぬ」の意味・使い方と例文

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「ひとかたならぬ」の意味

「ひとかたならぬ」は、主にお礼に使われる言葉です。「ひとかたならぬ」という言葉では「普通以上の」「並大抵ではない」という状態を表すことができます。「ひとかたならぬご尽力に感謝いたします」「ひとかたならぬお心遣いをいただきありがとうございます」などとして、相手の行為に最大限の感謝を表します。

「ひとかたならぬ」はお世話になっている方へのお礼状や、退職・転勤時の挨拶文などによく使われている表現です。口頭でも文章でも使うことができます。特に文面で伝えるお礼は、口頭と違って「本当に」「誠に」などの言葉でお礼を強調しても、何となくありきたりで軽く見えてしまうものです。そんなときに「ひとかたならぬ」を上手く使えば「本当に感謝してくれている」「心からのお礼を言ってくれている」と受け取ってもらいやすくなります。

「ひとかたならぬ」の使い方

目上の人へ使う「ひとかたならぬ」

「ひとかたならぬ」という言葉は、本来目上の人へ使う敬語表現です。そのため、自分より立場や年齢が上の人であれば問題なく使うことができます。相手が目上の人であれば、口頭で「ひとかたならぬ」を使っても大げさになることはなく、自然なお礼を伝えることができます。

ただし「ひとかたならぬ」という言葉は「普通以上の」という意味であるため、比較的軽い日常的なお礼に使うと、大げさでかえって嫌味と受け取られることもあります。そのため、何か大きな出来事があり、そのお礼を伝えたい場合や、転勤などでこれまでのように頻繁に接することができなくなるお別れのときなどに使うようにしましょう。

同僚や部下に使う「ひとかたならぬ」

「ひとかたならぬ」という言葉は、本来は目上の人に使いますが、状況によっては自分と同等の人や目下の人にも使うことができます。立場は自分の方が上であっても、何かのお礼を伝えたい場合や、けじめとしての挨拶をしたい場合には「ひとかたならぬ」が自然です。お礼状や文章などの中で「ひとかたならぬ」を使うと、立場を越えた正式なお礼や挨拶をすることができます。

ただし、立場が自分と同等または下の相手に対して、口頭で「ひとかたならぬ」を使ってしまうと、相手は返答に困りやすく気を使わせてしまうことがあります。口頭の場合は「本当に」「心から」などの言葉を使って、自分の気持ちを伝えると良いでしょう。

年賀状で使う「ひとかたならぬ」

お礼状以外で「ひとかたならぬ」が主に使われるのは年賀状です。旧年中のお礼を伝える部分で「ひとかたならぬ」が良く使われています。「旧年中はひとかたならぬご厚情を賜り誠にありがとうございました」「旧年中のひとかたならぬご支援に心より御礼申し上げます」などです。

年賀状は書くスペースが限られているため、御礼の詳細について長々と書くことができません。そのため「ひとかたならぬ」という言葉を使って、最大限の御礼を伝える気持ちを表すことが大切です。

もちろん年賀状以外の暑中お見舞いなどでも「ひとかたならぬ」を使ってお礼の気持ちを伝えることはできます。

「ひとかたならぬ」の類語

「並々ならぬ」

「並々ならぬ」とは「並大抵ではない」という意味を持つ「ひとかたならぬ」の類語です。「ひとかたならぬ」と同じように「普通以上の」という意味で使われます。「ひとかたならぬ」との違いは「並々ならぬ」は自分ことについても使えるところです。

「ひとかたならぬ」は相手の行為に対してのみ使いますが、「並々ならぬ」は自分がしてきたことについても使えます。「並々ならぬ努力をいたしました」「並々ならぬ苦境を経験しました」など、自分の経験や行為が本当に大変なものだったということを表せます。

「ひとかたならぬ」と同様に相手についても使え「並々ならぬご尽力をいただきありがとうございました」「並々ならぬお心配りによりここまでやって参りました」など、お礼や挨拶として頻繁に使われています。

「格段の」

特に結婚式などの式典で使われるお礼などには「格段の」という言葉もあります。「ひとかたならぬ」と同じように「普通以上の」という意味で使われますが、「格段」という言葉は「通常の段階を越えた」「さらに上のレベルで」という意味を持っているため、言葉としての格式がさらに上がります。

「格段のご支援を賜り」「格段のご配慮をいただき」などとすることで、普通はここまでのことはしてもらないだろうと思うようなことまで、という特別な感謝の気持ちを表します。

「ひとかたならぬ」の例文

  • 「○○様には、日頃よりひとかたならぬご支援をいただき心より御礼申し上げます」
  • 「日頃よりひとかたならぬご愛顧を賜り誠にありがとうございます」
  • 「○○様のご活躍の陰には、ひとかたならぬご尽力がおありでしょう」
  • 「皆様方のひとかたならぬご協力をいただき本日まで勤め上げることができました」
  • 「平素はひとかたならぬ御愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます」
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