「あたかも」の意味・使い方と例文

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「あたかも」の意味

「あたかも」とは「まるで」「まさに」という意味です。何かの外観を見た人が「あたかも○○のようだ」などと使うと「まるで○○のよう」「まさに○○だ」と言っているのと同じ意味になります。

「あたかも」は漢字で書くと「宛も」または「恰も」です。しかしどちらも「あたかも」と読める人が少なく、漢字で書かれることはほとんどないでしょう。

「あたかも」は物事の形状や、物事の状態、または人の外観や内面などに使われる言葉です。それらを傍から見た人が使う言葉で、その物事や人の様子を第三者に伝えやすくするために「あたかも~のようだ」などと使われることが多いでしょう。

「あたかも」の使い方

「あたかも」を目上の方へ使う場合

「あたかも」という言葉自体は、物事や人の様子を表すためのものなので、誰に使っても失礼になることはありません。自分が見たり感じたりしたことを、目上の方へ説明する場合に「あたかも~のようでした」「あたかも~のように振る舞っています」などと使います。

「あたかも」自体に失礼になる要素は確かにありませんが、内容によっては「嫌味っぽい」「非難をしているように聞こえる」と受け取られることもあります。嫌味や非難の意味を込めて伝えたい場合には「あたかも」を使っても良いですが、そうでなく純粋に「○○のようだった」ということを伝えたいのであれば「まるで○○のようでした」「○○にそっくりです」など、他の言葉に置き換えた方が誤解がありません。

「あたかも」を相手に対して使う場合

「あたかも」という言葉は、基本的にはそれを見た人が第三者に対して説明の意味で使いますが、状況によっては「あたかも○○のように見えるその当人」または「その状況を作り出している当人」に対して使うことがあります。

「君の言い方はあたかも私が悪いように聞こえる」「あたかもリーダーの様に振る舞っている」などです。この当人に向けて「あたかも」を使う場合は、ほとんどが相手への非難の気持ちが込められます。相手を責めたり、追求したりしたい場合であれば、当人へ向けて「あたかも」を使うと良いでしょう。

しかし、目上の方のへ使い方と同じで、相手を非難するつもりがないのであれば「~のよう」「~にそっくり」など別の言葉を使った方が安全です。

元々は「ちょうどその時」という意味だった

「あたかも」は現代では「まるで」「そっくり」という意味で使われますが、昔は「ちょうどその時」という意味で使われていました。「あたかも彼は現れた」であれば「ちょうどその時彼が現れた」という意味です。

昔の言葉に詳しい方の中には、現代でも「ちょうどその時」という意味で「あたかも」を使われている方もいらっしゃいます。「まるで」「そっくり」などの言葉に置き換えたときに、意味が通じないのであれば、それは「ちょうどその時」という意味で使われている「あたかも」であることがわかります。

「あたかも」の類語

「まるで」

「あたかも」にもっとも違い言葉は「まるで」でしょう。「まるで~のようだ」という言葉は、それが何か別のものや人、または状況に良く似ているという状態を表します。「まるで」という言葉には「あたかも」が持つ非難や嫌味のニュアンスはほとんどなく、純粋に似ているということを表すことができます。

「まるで」という言葉も非難や嫌味には使われますが、それは言葉自体が持つニュアンスではなく「まるで」を使う状況やその対象によっての働きです。

たとえば「まるでアナウンサーのようなきれいな話し方ですね」と言えば、嫌味や非難のニュアンスは感じられませんが「まるで社長だね」「まるで自分がいちばん偉いようだね」と言えば非難や嫌味のニュアンスが強く出ます。

「言うなれば」

「言うなれば」という言葉は日常で頻繁に使われる表現ではありませんが、「あたかも」と似た使い方ができる言葉です。「言うなれば」とは「しいて言うなら」「例えるなら」という意味があり「言葉で説明するなら○○」と、その物事や状態、人の様子を表すことができます。

「言うなれば、彼は時代の寵児というところだな」「言うなれば、この状況は現状での最善だ」などと使います。使い方としては「要するに」「まとめれば」などと同じような使い方ができる言葉です。

「あたかも」は「○○のようだ」と何かに例えてその物事や人を表しますが、「言うなれば」は他のものに例えるのではなく、自分の言葉でその物事や人を表すときに使います。

「そっくり」

「あたかも」は「○○にそっくり」という意味でも使われます。「そっくり」というのは「似ている」という意味で、主に物事や人の外観について使われる言葉です。「あたかも」を使う場面で、その似ている程度が「あたかも」を上回る場合は「そっくり」を使った方が伝わりやすいでしょう。

「○○さんにそっくりです」「あのときの状況とそっくりです」「弊社の作品とそっくりです」などと言えば、その物事や人、物が他のものと良く似ているということを伝えられます。

「あたかも」の例文

  • 「彼はあたかも、そこが自分の席のように座っている」
  • 「彼女はあたかも、自分が主役のような顔をして参加していた」
  • 「課長はあたかも、自分が責められているようなことを言っていた」
  • 「あなたはあたかも、自分には非がないと言っているようだね」
  • 「君のやり方はあたかも、独裁者のようだ」
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