「折り入ってお願い」の意味・使い方と例文

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「折り入ってお願い」の意味と読み方

「折り入ってお願い(おりいっておねがい)」という言葉は、相手を信頼した上で、改めて何かをお願いするときに使われるフレーズです。

「折り入る」という言葉には、「心を込めて」「特別な思い入れを持って」という意味があります。この「折り入る」という気持ちとともに、相手に何かを申し出て依頼することが「折り入ってお願い」です。

「折り入ってお願い」は「折り入ってのお願い」「折り入って頼みたいことがある」など、形を変えて使われることもありますが、意味はどれも同じです。

「折り入ってお願い」は二人きり

「折り入ってお願い」に使われている「折り入って」という言葉は、厳密には「信頼している相手に、二人きりでお願いをする」という意味があります。

そのため「折り入ってお願いがあります」と言われたら、基本的には相手と二人きりで話すということになります。

内容的に二人きりよりも第三者がいた方が効率が良い場合などは、あらかじめ詳しい人を同席させるなど、相手に了承をもらっておいた方が良いでしょう。

「折り入ってお願い」はこれまでにないお願い事

「折り入ってお願い」というフレーズは、ドラマなどでも見かけることがあるでしょう。そして、その場面のどれもが「これまでにないお願い」「これまで相手に頼んだことがない種類のお願い」であることに注目してください。

たとえば、これまでは仕事を通しての付き合いしかなかった方に、結婚式の挨拶をお願いしたい場合や、これまで単なる友人としてしか付き合ってなかった相手に、事業の資金援助をお願いする場合、これまでは従来品しか購入してなかった取引先に、まったく新しい新規事業に協力を要請する場合など、です。

「折り入ってお願い」という言葉を向けられた相手は、改まった相手の様子に、どんなお願いをされるのだろう、と身構えます。あまり軽度なお願いや、軽い気持ちで持ちかける話などに「折り入ってお願い」は使わない方が良いでしょう。

「折り入ってお願い」の使い方

「折り入ってお願い」は目上の人にも使える

目上の人に何かお願いをしたい場合で、日頃のお願いよりもさらに込み入ったお願い、またはこれまでにお願いしたことがない種類のことを頼みたい、という場合に「折り入ってお願い」が使われます。

「折り入ってお願い」という言葉自体が、「あなたを信頼してお願いしたいことがあります」という意味なので、「折り入ってお願い」という言葉を敬語にする必要はありません。

「折り入ってお願い」の前後に「お忙しいところ大変恐れ入りますが」「よろしければ」など、気遣いの言葉を入れるだけで、目上の人にも失礼なく使うことができます。

「折り入ってお願い」はお願いごととは限らない

「折り入ってお願い」という言葉は、状況や人によって「お願い以外の意味」を含んでいることがあります。話の内容が、お願いだけでなく、相談や申し出、提案などであることもあるので、その点を認識しておきましょう。

本来であれば「折り入って」の後の言葉を変えて、より具体的に伝えた方が相手も都合がつけやすくなります。

「折り入ってご相談がございます」「折り入ってお話したいことがございます」「折り入ってお耳に入れておきたいことがございます」など、「折り入って」の後につける言葉に制限はありません。

「折り入ってお願い」をされた方は「折り入って」は使わない

「折り入ってお願い」という言葉は「あなたを信頼して、改めてお願いしたいことがある」という意味です。これは、お願いをする側が相手に対して「信頼」という敬意を表しているのと同じ意味になります。

そのため、「折り入ってお願い」と言われた方は、基本的には「折り入って」という言葉は使いません。それは「自分で自分のことを信頼できる人と認めていることになるから」です。

「折り入ってお願いがあります」と言われたら「改まってどうされたのですか」「私でよろしければ」など、当たり障りのない返事、または謙遜の意味を含めた返事をするのが一般的です。

「折り入ってお願い」の類語

「改めてお願いしたい」

「折り入ってお願い」と似た意味を持つ言葉に「改めて(あらためて)」があります。「改めてお願いがございます」「改めてお話させていただきたく存じます」などと使われる言葉です。

「改めてお願い」の「改めて」とは、場や時、さらには自分の心構えや、相手の話を聞く状況などを一度仕切り直して、という意味です。

「折り入って」のように「二人きりで」という意味は含んでいませんが、「改めてお願いがございます」などとすると、「折り入ってお願い」と同じような緊張感を伝えることができます。

「折り入ってお願い」の例文

「お忙しいところ大変恐れ入りますが、折り入ってお願いがございます」
「折り入ってお願いしたいことがあるのですが、お時間を取っていただくことはできますでしょうか」
「折り入ってお願いというのは、私の退職の件でございます」
「田中さんが部長に折り入ってお願いがあると言っていましたが、いったいどんな用件だったのでしょうか」
「彼の言う、折り入ってお願いはいつも軽い頼み事ばかりだ」

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