「にて」の意味・使い方と例文

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「にて」の意味

「にて」という言葉は日常の会話や文章内で頻繁に使われています。意味は「~で」です。英語で言えば「at」となります。場所や状況に「にて」を付けることで「その場所で」「その状況で」という意味となるのです。

この「にて」という言葉は、日本の古い言葉使いではありますが現代でも頻繁に使われていて、主には文書内や改まった場での会話などで使われます。

「弊社会議室にて」「会合が行われたロンドンにて」「新人歓迎会にて」など、場所や状況について使われることがほとんどです。

「にて」の使い方

「にて」を目上の人へ使う場合

「にて」という言葉は正式な表現であり、目上の人へ使っても問題はありません。むしろ「~で」という言葉を目上の人へ使うと失礼になることがあるくらいです。「~で」という言葉の語源は「にて」だと言われています。「にて」を省略した言葉が「~で」なので、「~で」は「にて」の省略語であるという考え方もあるようです。基本的に目上の人へは省略語を使うと失礼になるので「~で」と言いたい場合には「~にて」を選ぶと良いでしょう。

人に対して「にて」は使わない

ビジネスの場などでは「その件は私にて承ります」などと「にて」が使われることがあります。しかし「にて」は場所や状況について使う言葉です。人について「にて」を使うとやや不自然な言葉になってしまいます。

人に対して「にて」と同じ意味を持つ言葉を使いたい場合は「~が」「~で」が良いです。「私が承ります」「こちらの部署でお伺いします」など、「~が」「~で」以外の部分で敬語を使うと自然で失礼がありません。

「にて」を使いすぎないように注意

「~で」という言葉をそのまま「にて」に全て置き換えてしまうと、文章や言葉が不自然になることがあります。「車にて参りました」「水にて作られています」など、単純な作りや手段は「にて」よりも、シンプルに「~で」を使った方が自然です。「車で参りました」「水で作られています」などとすれば、自然で理解のしやすい文章になります。

「にて」と「~で」のどちらを選択するかは、そのときの状況や相手との関係などもトータル的に考慮してから決めた方が良いでしょう。

「にて」で終わる文章

たとえば写真や絵はがきに添えられる短い文章に「ニューヨークにて」「札幌にて」などがあります。この「にて」で言葉が終わる書き方は、通常の会話や文書内では使いません。「にて」で終わる短文は、自分への覚え書きや他人へのメッセージとしてのみ使われます。

たとえば旅先から誰かに絵はがきを送るときなど、文章の最後に「博多にて」などと書いておけば、受け取った相手が「このハガキは博多で書かれたのだな、博多にいるんだな」ということがわかります。

自分への覚え書きとしては、購入したものに「○○書店にて」などと書いておくことで、どこでそれを購入したのかが後でもわかります。この「にて」で終わる使い方には特に決まりはなく、自分だけがわかれば良い使い方です。

「これにて」を使うのは別れや終わりのとき

「これにて失礼いたします」などと使われる「これにて」という言葉は状況を表す「にて」の使い方のひとつです。「今日はこれにて終わります」などと使うこともあり、いずれにしても「何かの終わり」または「誰かとの別れ」について使われる表現です。

口頭では「これで」とされることもありますが、フォーマルな場面などでは「これにて」が使われています。「披露宴はこれにてお開きといたします」「本日の公演はこれにて終了です」「長い間お世話になりましたがこれにてお別れでございます」など、何かの区切りに使われることが多い表現です。

「にて」の類語

「~において」

「~において」という言葉も場所や状況を表すときに使います。しかし「にて」と「~において」は全くの同義ではありません。「~において」は、その場所や状況での出来事にスポットが当たりやすくなります。

たとえば「打ち合わせはA社にて行われます」といいますが、「打ち合わせはA社において行われます」とは言いません。一方で「A社にて行われた打ち合わせで問題が生じた」よりも「A社において行われた打ち合わせで問題が生じた」の方が「問題が生じた」という伝えたい部分がクローズアップされやすくなります。

つまり「~において」は「~において○○が起った」など、場所や状況と併せて本当に伝えたいトピックがある場合に使いやすくなっています。

「~によって」

正式な書面や改まった場、または多数の人に何かを伝える場面などでは「にて」の他に「~によって」があります。「会場へは公共交通機関にてお越しください」「その鍋は銅によって作られています」などです。

「~によって」は「にて」に比べると「~の力で」「~を利用して」というニュアンスが強くなるので、その物や出来事のルーツや仕組みを説明する場合に便利です。

「にて」の例文

  • 「会場まではお車または公共交通機関にてお越しください」
  • 「本日の会合は○○公民館にて行います」
  • 「例の件は先日の会議にて決議されました」
  • 「会場にて記念品をお配りしております」
  • 「これにて本年度の会議は終了です」
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