「時節柄」の意味・使い方と例文

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「時節柄」の意味と使い方

「今の季節」という意味の「時節柄」

「時節柄」の本来の意味は「今の季節的に」という意味です。夏であれば「時節柄、熱中症にご注意ください」、冬なら「時節柄、お風邪などめされませんようご自愛ください」などと使います。

「時節柄」という言葉は口頭でも文章でも使うことができますが、多くは手紙などの文章内で使われています。手紙では「時候の挨拶」といって、その季節に合った挨拶文を文頭に書くことがマナーとされています。この「時候の挨拶」で始まった手紙の締め文として「時節柄」という言葉が頻繁に使われます。

「時候の挨拶」は決まりがあるわけではありませんが、手紙を書く月や季節によってある程度定型文化されているものが多く、時候の挨拶を読むだけである程度どんな季節に書かれた手紙かがわかります。1月なら「新春の候」、5月なら「晩春の候」などです。

この「時候の挨拶で始まった手紙」では締め文にも、季節にまつわる言葉で終わるというルールがあります。そこで手紙の最後に「時節柄、お忙しい毎日をお過ごしのことと存じます。どうかご自愛ください」「時節柄、朝晩の冷え込みが強くなって参りました。お風邪などめされませんよう」などです。

手紙の「時節柄」を口頭で使う場合には、知人などと会ったときの挨拶として「時節柄お忙しいでしょう」「時節柄スーツを着るのが辛くなってきました」など、「季節的に」という意味とほぼ同義で使うことができます。

「現代の風潮」という意味の「時節柄」

「時節柄」が持つもう一つの意味は「今は」「現代では」という意味です。こちらの「時節柄」は主に口頭での会話で使われます。「時節柄、社内コンプライアンスには今まで以上に敏感でいるように」「時節柄、この件の公表はもう少し先にしたい」などと使い「今は」「現代の風潮的に」という意味を持っています。

「時節柄」という言葉を使わなくても「今は」「最近は」など他のわかりやすい言葉で表すことができるものを、敢えて「時節柄」という言葉を使って表すのは「ある程度言わなくてもわかるだろう」「皆まで言わなくてもわかるよね」という、お互いの暗黙の了解のようなニュアンスを出すためです。あまり大っぴらには言いたくない、という含ませる心情も「時節柄」という言葉に乗せられます。

「時節柄」と「季節柄」の違い

「時節柄」と似た言葉に「季節柄」があります。この2つの違いは「範囲」です。まず「季節柄」とは、文字通り「今の季節」についてのことを指しています。一方「時節柄」は季節だけでなく、世間の動きや情勢なども含めたことを指しています。

基本的に、手紙で季節による相手の体調などを心配する文章を書く場合には「時節柄」を使います。これは相手に注意して欲しい、気をつけて欲しいと思うことが、世の中の動きにも関係してくることが多いためです。たとえば冬の時期に相手に「風邪に気をつけて欲しい」と思ったのであれば、相手は自分の体調管理だけでは足りません。毎年冬にはインフルエンザが流行することは事実なので、世の中の動き(毎年この季節はインフルエンザが流行する)にも敏感になっておく必要があるためです。

一方で「特別な注意は必要ないだろうと思うこと」「一般的なこと」であれば「季節柄」を使います。たとえば「春の朝晩の冷え込みに注意した方が良い」ということを伝えたい場合です。春になると日中に比べて朝晩の冷え込みが気になる、というのは季節の特徴であり、世の中の動きとは特に関係がありません。そのため、この場合は「季節柄」を使います。

「時節柄」の類語

「~の季節です」

「時節柄」という言葉を「季節」の意味で挨拶に使うのであれば「~の季節ですので」という言い方が良いでしょう。「時節柄」を口語的にした「~の季節」は言いやすく、会話の中に自然に取り入れることができます。もちろん手紙の締め文として使うことも可能です。

「そろそろクリスマスの季節ですから、街がにぎやかですね」「紅葉の季節です、是非休日は美しい自然をご覧ください」などと使い、「時節柄」よりも具体的な時節のイメージをすることができます。

「最近は~」

「時節柄」を世の中の動きや情勢について使うのであれば「最近は~」という言い方もおすすめです。「最近はコンプライアンスにうるさいから」「最近は○○の傾向が強いから」という日常的な言い方も「時節柄」と同じ意味を持ちます。

「~の折り」「時下」

手紙で使う「時節柄」の類語として良く使われるのは「~の折り」または「時下」です。「~の折り」とは「今がちょうどその時です」という意味があり「寒さ厳しき折、くれぐれもご自愛くださいませ」などと使います。「時下」は「今、現在」という意味で「時下益々ご清栄のこととお喜び申し上げます」などと使われます。「時下」は手紙の冒頭文として使われる言葉で、文末で使うことはほとんどありません。

「時節柄」の例文

  • 「時節柄、くれぐれもご自愛ください」
  • 「時節柄、ご多用と存じますがお近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください」
  • 「時節柄、お風邪などめされませんようくれぐれもお気を付けください」
  • 「時節柄、いろいろと問題になりやすいので注意しましょう」
  • 「時節柄、こういうやり方の方が受け入れられやすいのではないでしょうか」
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